記録づくめの女子大生プロ チョン・インジのポテンシャル
■日本ツアーは眼中なし?
今回の勝利で4週間以内にツアー登録をすれば、チョンには1年間の出場権が与えられる。
「イ・ボミ選手からも『日本においでよ』と誘われました。素晴らしい環境の中でプレーできたことでますます日本が好きになった」と言いながら、「まだ学生なので、学業が終わった後できちっと答えを探したい」と、やんわり否定した。
韓国ゴルフ事情に詳しいジャーナリストの太刀川正樹氏がこう言う。
「チョンは韓国ジュニアのエリート中のエリートといわれる国家代表に選ばれながら、経済的に家庭が大変だからプロになって金を稼ぎたいと代表資格を1年で返上しています。高校生の時にライバルは誰と聞いたら、自分自身だと言っていました。それだけ自信があるわけです。1日でも早く世界ランク1位のリディア・コや同4位の金孝周と同じ土俵で戦いたいと考えているでしょう。カネと名誉は米ツアーにあるというのが、韓国選手の共通認識だからです」
今大会賞金は日本メジャーだから2400万円と高額だが、米メジャーは全米オープン約8640万円、全英オープン約5700万円、エビアン約5850万円と2倍以上。賞金を考えたら、日本ツアーは眼中にない。
また大学生(高麗大)ではあるが、実際は通信教育でツアー会場を転戦している。20歳と若いが、先輩プロや日本へのリップサービスを忘れずに処世術もこなれている。
かわいい顔をして、けっこうしたたかな女子大生プロなのだ。