霜田正浩技術委員長が今語る「ハリル日本」誕生の舞台裏(3)
――いよいよ6月からロシアW杯アジア2次予選がスタートします。初戦は6月16日。埼玉スタジアムで行われるシンガポール戦に変更されました。
「お互いが自国のプライドをかけ、勝利のために戦う。それが国際試合です。負けたけど『良質のサッカーをやった』は言い訳に過ぎません。サッカーに芸術点はありません。何本もボールがつながり、素晴らしいパスワークを見せても、ゴールを決めないと勝利にはつながりません。サッカー先進国では、チンタラしたプレーは即ブーイングの対象です。『上手だけど戦っていないよね』という声が湧き上がってこないといけません。何よりも勝利にこだわるという価値観を全国のサッカー関係者、サポーターの皆さんに浸透させていけたらと思っています」
(取材・構成=六川亨・サッカージャーナリスト)
▽しもだ・まさひろ 1967年2月10日、東京・豊島区生まれ。都立高島高卒業後、ブラジルに渡ってサントスの下部組織などに在籍。同時期にブラジルでプレーしていた三浦カズと交流。88年に帰国してフジタ(現湘南)、京都紫光クラブ(現京都)でプレー。94年から徳島、京都、FC東京、千葉などでコーチを務めた。10年から日本サッカー協会技術委員。14年9月に技術委員長に就任。