森脇監督休養のオリが露呈した日本球界の“悪しき体質”とは
「プロ野球界の最もダメな部分を象徴する出来事ですよ」
スポーツライターの工藤健策氏がこう言った。パの最下位に低迷するオリックスが2日、森脇監督の休養を発表したことに関してだ。
オリックスはオフにバリントン(34=年俸1億5000万円)、ブランコ(34=2年5億円)、中島裕之(32=3年12億円)、小谷野栄一(34=3年3億円)らを獲得。総額30億円ともいわれる大金を投じながら、開幕から最下位に低迷。借金は膨れ上がる一方で、5月31日には自力優勝の可能性が消滅。責任を負ったのは指揮官の森脇監督だった。
「オリックスが補強に大金を投じたこと自体は悪くない。チームを強くするための企業努力は必要ですからね。問題はカネの使い方ですよ」と工藤氏がこう続ける。
「昨季リーグ2位に躍進した原動力は、投手を中心にした堅い守りと機動力です。チームの持ち味を生かすような補強をしてしかるべきなのに、獲得したのは守備や機動力に難のあるブランコや中島や小谷野でしょう。強化するどころか持ち味をそぐような選手ばかり集めたのだから、結果が出るはずがありませんよ。しかもブランコや小谷野が故障がちなのは、いまに始まったことじゃありません。それでも大金を投じた選手は使わないわけにいかない。責任を負うべきはむしろ、チームにそぐわない選手に大金を使ったフロントじゃないですか。勝てない原因を現場に押し付けて、トカゲの尻尾切りのようなことを繰り返すのはプロ野球界の悪しき風潮だと思いますね」