高橋由伸 1日1000スイングで8キロ増
当時、練習量では由伸と現巨人打撃コーチの清水隆行が群を抜いていました。清水なんて、今でも二軍の若手選手よりはるかに速い振りをしています。この間、巨人戦の取材に行った際に握手をしたら、いまだに手のひらがマメでゴツゴツしていました。清水のことですから、コーチになっても陰で素振りをしているのかもしれません。
今の由伸は180センチ、87キロ。バットを、振って振って振りまくった成果です。見た目は優男風で泥くささとは無縁のイメージですが、由伸の握力は80キロ超もある。僕が60キロ前後。それだけバットを握っているからです。
そんな由伸と現在の巨人の二枚看板を務めるのが阿部慎之助。入団当初、ロッカールームで頭からタオルをかぶり、顔を隠して泣いていた姿を思い出します。(つづく)
▽もとき・だいすけ 1971年12月30日生まれの43歳。大阪府出身。上宮高時代に甲子園に3度出場し、歴代2位タイの通算6本塁打を放つ。89年のドラフト1位でダイエーに指名されるも、入団を拒否してハワイに野球留学。翌90年ドラフトで巨人から1位指名を受けて入団。長嶋監督が「クセ者」と呼んだ野球センスを武器に一時代を築いた。05年オフに引退し、現在はタレントとしても活躍する。通算成績は1205試合に出場して打率.262、66本塁打、378打点。