権藤氏が苦言 「ストライクゾーンの変化がセの大混戦招いた」

公開日: 更新日:

 それが、だ。交流戦に入った頃から、様子がおかしくなった。際どいボールに球審の手が上がらない。4月にストライクだったコースがことごとくボールと判定され、投手がマウンド上で汲々とするようになった。

 6月21日の中日戦、3-2の八回に和田にホームランを浴びた巨人のマシソンなどは象徴的だ。1ボールから投げた直球は、2カ月前だったら間違いなくストライク。それがボールとされ、これ以上、カウントを悪くしたくないと苦し紛れに投げた甘い真っすぐをバックスクリーンに運ばれた。

 投手も打者も、ようやく広くなったストライクゾーンに慣れてきたところで、それが急に狭くなる。選手が混乱するのは当たり前だ。少々のボール球でも初球からどんどん振ってくる打者が多いパ・リーグは影響が少なくとも、どこも決め手に欠くセ・リーグは突然のゾーンの変化でますます波に乗り切れなくなる。

 私がストライクゾーンを利用した時間短縮策を歓迎するのは、シーズンを通して不変であるのが前提だ。演出家や脚本家の都合でコロコロと変わったら、これは野球にならない。セは史上まれに見る混戦模様。ゾーンの変化に、このダンゴ状態を続けさせようという意図がないと信じたいが……。

(権藤博/野球評論家)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末