「故障を利用」の声も 県岐阜商・高橋純平にスカウト疑心暗鬼
試合後、スタンドのあちこちからタメ息がもれた。
12日、大垣市北公園野球場で行われた岐阜県大会3回戦。県岐阜商-関商工戦のネット裏にはプロ球団のスカウトが押し寄せたが、またしても空振りに終わった。今ドラフトの目玉右腕・高橋純平が、初戦の2回戦に続いて、この日もマウンドに上がらなかったからだ。
「全体的にフォームが崩れているので、バランスを修正して、次は投げられるようにしたい」
試合後の本人がこう言えば、指揮を執る小川監督は、「調子が良くない。ムリをさせられない状況なので」と話した。
しかし、高橋を含む3年生部員にとっては、負ければその時点で高校生活最後の大会が終わってしまう一発勝負。チームのエースが「フォームの崩れ」や「調子」の良しあしだけで、登板を見送るとは思えない。
まして試合は延長十回にサヨナラ勝ち。3点リードの八回に2点、九回に1点を奪われて同点のまま延長戦へ。緊迫した展開になっても、高橋はブルペンで肩をつくることすらしなかった。