元選手が“併用制”の弊害指摘 「正捕手1人」は時代遅れなのか
「現在は多くの球団が捕手併用の傾向にありますが、これは昔の古田さんや野村さんのように、フルシーズンを任せられる絶対的な捕手がいないからです。今の巨人、阪神はまさにその典型です。やはり信用できる1人の捕手が常にマスクをかぶった方が、投手は配球を任せることができるし、投球だけに集中できますから」
さらに野口氏はこう言う。
「捕手が決まっていれば、サインを出すタイミングやバッテリー間のリズムにも慣れているので、野手も守りやすい。理想的な捕手の配置は、私が阪神の2番手だった時(03~08年)の正捕手・矢野(燿大)さんとの関係だったと思います。基本的に矢野さんが毎日マスクをかぶり、私が週1ぐらいで相性のいい投手とバッテリーを組んだ。矢野さんの疲労も軽減できましたし、チームも安定して戦えました」
今や投手は「先発完投」から「先発、中継ぎ、抑え」という分業制が確立しているが、捕手に関してはやっぱり「正妻1人」がいいのだ。