M3の立役者 ヤクルト石川を突き動かす“レジェンド”の存在
ヤクルトの石川雄規投手(35)は今年、チームの投手陣に向けて熱く語りかけたことがあった。
「今年は投手で勝ったといわれるように頑張っていこう」
中4日でしかも微熱があっての先発マウンド。それでも巨人との優勝を争う天王山の第2ラウンドで5回3安打1失点の好投。今季13勝目を挙げ、9月は無傷の5連勝。チームに待望の優勝マジック3を点灯させた。
「大事な試合でそのことができたと思う。凄くうれしいし、すごく大きい。この年齢で大事な試合を任されることに、凄く意気に感じています」
167センチの小さなエースはヤクルトが最後に優勝した01年のオフ、自由獲得枠で入団。02年に新人王を獲得してから、14年間で2ケタ勝利を11度達成。通算144勝は現役で4位。しかし、入団から14年間、優勝を経験していない。
「毎年悔しいシーズンを送ってきた。未知な領域ですが、足元をしっかり見てこれからも一戦一戦戦っていきたい」
昨オフ、都内のジムに週4日通うなど、ほぼ休みなくトレーニングをこなした。キャンプでは若手に負けないくらい走りこみ、下半身をいじめ抜いた。これがシーズン最終盤にフル回転できるパワーの源になっている。