岩隈のケースが教える“メジャーの契約は選手価値の尺度”
ビジネスライクに徹するスタンスは、米国の社会や文化によるところが大きいという。
「アメリカは契約社会ですからね。契約自体の規模も、日本とは比較にならない。双方が自分の権利を徹底的に主張、壮絶なケンカをしたうえで、合意か破談です。かつては決闘してピストルで決着をつけていたのが、いまは裁判所に駆け込む。おのおのが主張し合い、話がまとまらなければ訴える。場合によっては身ぐるみ剥がされるようなケースもあるだけに、契約に関してはシビアなのです」
このオフ、入札制度でメジャー挑戦する前田健太(27)は、移籍先に関して「必要としてもらえるならどこでも」と答えている。要するに自分を最大限に評価してくれる球団であれば、どこへでも行くということ。評価とはすなわち契約内容だ。生き馬の目を抜く社会で生きていく覚悟はすでにあるようだ。