常軌逸したJOC宣言 東京五輪「金で3位以内」の危うさ
■世界の流れに逆行する「金メダル至上主義」
しかし、橋本強化部長はこれでも足りず、さらにジャブジャブと金を使って、東京では金メダルの山を築きたいのだ。
「常軌を逸した話です」というのは、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏だ。
「JOCのゴールドプランの中に、東京五輪の金メダル獲得数は世界3位を目指すとある。いわば国家プロジェクトですから、実現させるためには、多額の資金を投入するだけでなく、それこそ何でもやるはずです。例えば、ナショナルトレセンだけでなく、自衛隊体育学校を有効利用したり、海外に長期滞在する選手のために現地にトレセンを造る。元中国の卓球選手や元ケニアやエチオピアのマラソン選手が他国で代表になっているが、日本も有能な外国人選手を帰化させるかもしれない。国民の批判なんて気にしていたら金メダル30個なんて取れない。資金を惜しまず使って、これまでの枠を超えたことをどんどんやると思いますね」
橋本団長兼強化部長はこの日の会見で、「強化本部としましては、3年前から『人間力なくして競技力向上なし』をテーマにしてきましたが、今回の日本代表選手団はしっかりとした人間力をもってそれぞれの目標に向かっていく、その力を十分発揮できたと思う」と言った。