常軌逸したJOC宣言 東京五輪「金で3位以内」の危うさ
だが、4年後の東京五輪に向けて、民間やサッカーくじの売り上げ、多額の税金などにより「メダルを狙えるサイボーグ」が数多くつくられ、国威発揚の道具にさせられるのがオチである。
「金メダル30個という目標は、すなわち中国(リオは金26・銀18・銅26)を抜くことです。それはアジアの覇権争いに他ならず、露骨なナショナリズムです。欧州ではスポーツ・フォー・オール(みんなのスポーツ)運動を進めている。一部の才能や機会に恵まれた者だけではなく、性別や年齢、階層などを超えた全ての人々がスポーツに関わり、楽しめることは基本的人権であるという認識に基づくものです。代表候補にばかり金を使い鍛えあげる金メダル至上主義はそれとは対局にあり、人間性を剥奪するものです。それで多くの金メダルを取っても、国民を豊かにすることなどできません」(前出・谷口氏)
橋本団長兼強化部長は、前回の東京五輪開幕5日前に生まれ、聖火にちなんで「聖子」と名付けられたそうだ。それなら今の任務は天職かもしれないが、国民は「五輪教」にうつつを抜かしてはいけない。