常軌逸したJOC宣言 東京五輪「金で3位以内」の危うさ
五輪につぎ込まれているカネは、もちろん選手の強化費(今年度約70億円)だけではない。スポーツ医・科学研究の中枢機関である国立スポーツ科学センター(JISS)は、01年の完成までに274億5000万円もの建設費が投入され、年間約20億円の運営費がかかる。
水谷隼(27)と男子団体が史上初の五輪メダルを獲得した卓球の代表選手が練習拠点にしているナショナルトレーニングセンター(NTC)は08年に完成。こちらも370億円の建設費がかかっている。ちなみに東京五輪に向けて、現在のNTCの隣に「第2NTC」を造る方針も明らかになっている。
リオ五輪では選手村からシャトルバスで30分の場所に、選手に和食や炭酸泉の風呂、トレーニングやケア施設を提供し、体調管理の設備も整えた「ハイパフォーマンス・サポートセンター」を約8億円かけて造った。
卓球の福原愛(27)やバドミントン、カヌーなどは、外国人の指導者のおかげでメダルが取れた。その指導者たちの人件費だってバカにはならない。要するにリオ五輪は湯水のように強化や施設にカネを使ったからこそ、その額に比例してメダルが取れたというわけだ。