セッター育成急務 “鬼軍曹”中田久美氏が女子バレー監督に
鬼軍曹でメダル奪回なるか。
バレーボール女子日本代表の真鍋政義監督(53)の後任にプレミアリーグ「久光製薬」の中田久美監督(51)が就任する見通しとなった。25日の理事会で正式決定するという。
中田監督といえば、史上最年少の15歳で全日本代表に選ばれ、銅メダルを獲得した84年ロス五輪から3大会連続でオリンピックに出場した名セッター。現役引退後、「久光」で監督就任1年目に天皇杯・皇后杯で優勝。プレミアリーグと黒鷲旗全日本男女選抜大会でも優勝し、女子チームで初の3冠を達成した。
テレビ番組の出演も多く、知名度は抜群。一方、厳しい指導でも知られ、04年にアテネ五輪行きが決定した女子選手たちと共にスポーツ番組に出演した際、はしゃぐ選手たちを「てめえら、この野郎!」と一喝したことでも有名だ。
そんな中田監督を代表監督に起用した背景にあるのは、日本の深刻なセッター不足。12年のロンドン五輪では銅メダルを獲得した女子日本代表だが、今年のリオではベスト8で惨敗。要因は「セッターの世代交代失敗」にあるとの声が少なくない。どのポジションよりも経験値が必要とされるセッターは、ベテランの竹下佳江(38)に頼るあまり、次世代の宮下遥(22)らに十分な経験を積ませることができなかった。中田監督の就任は20年の東京五輪を見据えたセッター育成が最重要課題となる。
女性監督誕生なら82年の生沼スミエ以来2人目となり、五輪で指揮を執れば初。キャプテンを務めた木村沙織(30)も現役引退を発表したばかり。女軍曹が崩壊した女子バレーの再建に着手する。