棒高女王トップ就任も…ロシア反ドーピング機関の怪しさ
かつての棒高跳びの女王が薬物問題の責任者に就任した。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)を監督する評議会の議長に決まった世界記録(5メートル6センチ)保持者のエレーナ・イシンバエワ(34)のことだ。
今後はイシンバエワが中心となり、世界反ドーピング機構(WADA)から組織的ドーピングにより資格停止処分を受けたRUSADAの再建に取り組むという。
イシンバエワを責任者に選んだRUSADAの決定にWADAは声明で不快感をあらわにしたが、それも当然だろう。WADAの情報がイシンバエワを通じてロシア側に筒抜けになりかねないからだ。
イシンバエワは今年8月の国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員選挙で当選。アスリート委員はIOC理事も兼ねるため、ドーピングに関するあらゆる情報にアクセスしやすい立場なのだ。
8日まで行われていたIOC総会(スイス)では反ドーピング強化でIOCとWADAによる連携が確認されたばかり。今後は両者による情報共有などが図られるだけに、抜き打ち検査の日程などがイシンバエワからロシア側に流れる可能性は否定できない。