引退先延ばしか? ボルトを駆り立てるルイスへの対抗心
世界最速男が新国立競技場のトラックを疾走しそうだ。陸上男子100メートル(9秒58)、200メートル(19秒19)世界記録保持者のウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)に20年東京五輪に出場する可能性が出てきたからだ。
25日にIOC(国際オリンピック委員会)が08年北京五輪でボルトらの獲得した400メートルリレーの金メダルを剥奪したと発表。ジャマイカのリレーメンバーだったネスタ・カーター(31)が同五輪のドーピング再検査に引っ掛かり、失格処分になったためだ。
ボルトは北京五輪から16年リオ大会まで3大会連続で100メートル、200メートルと400メートルリレーの短距離3冠を達成していたが、今回の処分で通算9個の金メダルの1つを失う。
リオ五輪後には去就に関して「東京まで続けるのはきつい」と今年8月の世界選手権(ロンドン)を最後にナショナルチームからの引退を示唆。世界選手権以降はダイヤモンドリーグなど賞金レースへの参戦に意欲を見せていた。「トップのままで引退したい」とも話していたが、今回の仲間の不祥事で五輪陸上競技での金メダル獲得総数トップの座から陥落。ボルトが何かと対抗心を燃やす同じ陸上短距離のカール・ルイスに金メダル獲得数(9個)で下回るため、引退を20年五輪後に先延ばしする可能性もあるという。