不祥事続出のアマスポーツ界 「根底には勝利優先」の声
ヤクザ顔負けだ。
10日に明るみに出た、拓大紅陵高校の硬式野球部員による、売春あっせん事件。事件当時2年生だった部員3人(いずれも現在は自主退学)は、今年1~2月に知人の10代の少女を客に紹介し、た疑いで同日に逮捕された。彼らはツイッターで客を集め、1人当たり3万~6万円の“料金”を設定していたという。
拓大紅陵といえば、春夏通じて甲子園出場9回を誇る、野球強豪校。92年夏は準優勝、直近では04年春に出場した。そんな野球名門校の部員が売春あっせんとは、まるで暴力団のシノギさながらだ。
さらに11日には、近大ボクシング部の監督(29)が女子部員にセクハラをしたことが発覚。この監督は12年ロンドン五輪にも出場したボクサーで、現在は自宅待機を命じられているという。
スポーツライターの谷口源太郎氏は「たまたま同時に出たということではない。いずれも勝利至上主義、成果主義が根底にある」と、こう続ける。
「本来、部活動とは授業では学べないことを学ぶ場所であるはず。それがいまや、勝利しか求められない。現在は子供の数が減少し、生徒数も減っている。そのため、学校の名前を上げて生徒を確保しようという流れがあります。スポーツで名を上げるのが手っ取り早いですからね。学校や指導者たちが率先して、『勝つことだけに集中しろ』と子供たちに教え込むわけです。そうなると出来上がるのは、社会性がないスポーツエリート。そんな彼らが指導者になるのだから、同じことの繰り返しになる。今回の件は氷山の一角です」