不祥事続出のアマスポーツ界 「根底には勝利優先」の声
■敦賀気比は特待生で学校が荒れた
今年、日本学生野球協会が6月までに公表した高校・大学野球部の処分は37件。指導者の飲酒運転、窃盗、盗撮、不祥事隠蔽工作に始まり、部員は飲酒、喫煙、リンチなど、まさに不祥事の温床となっているのがよくわかる。
かつて県外の選手を特待生としてかき集め、甲子園を席巻した敦賀気比(福井)は一時期、彼らによって学校自体が荒れたという。林博美元監督は以前、日刊ゲンダイの取材にこう話していた。
「スポーツで入学してくる生徒の中には『オレは招かれたから来てやっているんだ』という意識が強い、荒くれ者が多かった。彼らが先生の言うことを聞かず、授業にならないこともあって、学内での評判がどんどん悪くなった。だから、スポーツ科を廃止したんです」
前出の谷口氏は「文科省は部活の顧問をする先生が足りないからと、今後は外部から専門家を呼ぼうという流れになっている」と言う。
これ以上、勝利至上主義の指導者が増えれば、スポーツそのものが害悪になりかねない。