休むと不安…稀勢の里を蝕む「稽古依存症」と先代の呪縛

公開日: 更新日:

 この状態を解消するために必要なものは、休息しかない。

「エネルギーは練習中に消費される。つまり、消費する分のエネルギーを補給しなければいけないというのが、レーヤー博士の主張です。例えば、1日だけ休んでリフレッシュした方が、練習の効率が上がる傾向もある」(前出の児玉氏)

稀勢の里が心酔する先代の教え

 厄介なのは休養を忌諱する風潮が、角界に蔓延していることだ。なにせ、「ケガは稽古で治せ」という格言もある。ある若手親方が言う。

「完全に休んでしまうと体もしぼんで相撲勘も鈍る、という考えです。例えば、故・佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜)は弟子の琴光喜が右ヒジを手術した際、絶対安静なのに翌日から稽古させていた。稀勢の里の先代師匠である、故・鳴戸親方(元横綱隆の里)も同じ考え。稀勢の里は先代に心酔するあまり、周囲の忠告には耳を貸そうとしない。無理にでも休ませようものなら、余計にストレスとなりかねない」

 稀勢の里は先代師匠の教えを忠実に守り、横綱昇進を果たした。先代への心酔は増すばかりで、それがいまや呪縛となって本人を苦しめていることに、稀勢の里自身は気付いているのだろうか。

 隆の里は横綱在位15場所で引退。弟子はそこまで持ちそうにない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット