完璧一転ぶつけてから失点 阪神・藤浪に“荒療治”のススメ
復活を目指す今季は、テークバックをややコンパクトにしたフォームに変えて制球が安定してきたようにも見えるが、ある阪神OBはこう言う。
「今日は走者なしでもセットポジションから8割ぐらいの力で投げていた。力みは感じなかったし、ストレートも走っていた。しかし、右打者でも左打者でも配球は相変わらず外角主体。『ぶつけてはいけない』ということばかり考えているので、大和へ死球を与えてから突然制球が甘くなる。そんなに打者に当てるのが怖いなら、競走馬のようにブリンカー(遮眼革)でも着けて投げるしかないな(笑い)」
競馬ファンならご存じのように、行きたがったり、臆病な馬は、他の馬が視界に入ると走ることに集中できず、折り合いを欠いたり、最後のスピードが甘くなる。そのためブリンカーを着けて視界の一部を遮ることで、本来の力を発揮できる馬も少なくない。
球は速いが制球が悪い藤浪を「暴れ馬」と呼ぶ者もいるが、今は死球をビビる小心者。まさか特注のブリンカーを着けてマウンドに上がるとは思えないが、藤浪の心に宿る死球への恐怖心は、簡単には消えそうにない。