投で結果出ず…エンゼルス大谷は球速への執着が最大課題
単に速いだけではないという指摘もある。「大谷のストレートは回転のきれいなノビのあるボールではないけれど、スピードだけでなく球威もあります」とはパのある打者だ。
日本のプロ野球ではスピードさえ突出していれば、打者も「コツコツと軽打」が精いっぱいだったかもしれない。しかし、メジャーのスラッガーは規格外だ。そもそも160キロを投げる投手はマイナーにもいるし、たとえバットの芯でとらえなくてもスタンドまで運ぶパワーを彼らは持ち合わせている。つまり、ただ球が速く、球威があるだけでは打ち取れない。力で抑えようと力めば力むほど、マウンド上で空回りしている感じだ。
球速と球威は十分あるのだから、これまで以上に球質と制球に意識をおくべきではないか。
■1安打完封の西武戦
日本ハムの吉井投手コーチは以前、大谷が理想的な投げ方をした例として、リーグ優勝を決めた16年9月28日の西武戦を挙げたことがある。球速自体はともかく、球のキレ、制球とも申し分なく1安打完封、15奪三振と相手に付け入るスキを与えなかった。