ヘルニアから奮起 立浪親方を惚れ込ませた明生力の素質
ひと目見た瞬間、立浪親方(元小結旭豊)が惚れ込んだという。
奄美大島出身で、小学生時代はわんぱく相撲優勝という実力者。中学時代は鳴かず飛ばず、どの部屋のスカウト網にも引っ掛からなかった。
立浪部屋のタニマチ筋が言う。
「そんな明生を“発掘”したのが、立浪部屋のマネジャーです。元アマ力士という経験もあり、全国を飛び回って、これはという力士を探していた。明生は中学時代から180センチあったので、親方も『え!? こんな力士が(他の部屋に目をつけられずに)残ってたの!?』と驚くと同時に大喜びしていた。本人は高校に進学して柔道をやり、相撲はその後に……と思っていたようだが、父親が大の相撲ファン。『おまえの夢は力士だろ! 高校に進学? そんなんじゃダメだ!』と一喝されて、入門したと聞いています」
かつてはヘルニアを患って三段目をウロウロしていた時期もあった。それでも昨年から十両に定着。今場所、新入幕を果たした。
「負けず嫌いな性格がゆえに、痛いかゆいを言わず、無理をしがちな面がある。過去に腰をやっているので、周囲に『今日はもう休め』といさめられることも珍しくない。基本は四つ相撲だが、立浪親方に言わせれば、『しっかりした型を持った上で相手を翻弄する、嘉風のような力士になってほしい』とのこと。親方も現役時代は天才肌だったので、自身のような力士になってほしいという思いもあるでしょう」(前出のタニマチ筋)