評価うなぎ上り日ハム輝星“唯一の不安”は奇策好きの指揮官
部活動の引退後はウエートにも取り組み、尻回りは100センチを超えるほどになった。チーム関係者によれば「高卒当時の大谷翔平(エンゼルス)よりもでかい」という。
新人合同自主トレの当初130キロ台中盤だったストレートは、次第にうなりを上げ、キャンプイン直前には140キロ台中盤を計測した。
吉田はブルペンで主にセットとクイックで投げていた。「ワインドアップは振りかぶった時点で足を後ろに引くことによって自然と勢いがつくが、セットやクイックで自分自身で勢いをつけたほうがいいと思っている」と本人は話す。あえて難しいシチュエーションに自分を置き、強い球を投げようという意識を持ってブルペンに臨んだ。キャンプでコーチから新たな技術を学び、実戦に入っていけば、最速152キロのストレートは、さらに凄みを増すに違いない。
■「できるなら準備してくれ」
もっとも、日本ハムの高卒新人投手は、たとえ力があろうと、プロの環境、生活に慣れ、1年間を通して野球ができる体力づくりが優先。ダルの一軍デビューは6月に入ってから。大谷も投手としてのデビューは5月下旬だった。球団は吉田に関しても先輩の育成方針を踏襲する方向。体が完全に出来上がっていない1年目からフル回転、取り返しのつかない故障につながることを危惧しているからだ。