まわし姿で初指導 “不器用”稀勢の里に根気と先代師匠のDNA
現役時代と変わらぬ姿をお披露目した。
4日、元横綱稀勢の里(32)が、「荒磯親方」として初めて田子ノ浦部屋の弟弟子たちを指導した。
マゲを切っておらず、白いまわしを締めた現役時代の姿そのままに、身ぶり手ぶりを交えてアドバイスを行った。
稀勢の里は最高位の横綱まで上り詰めたものの、相撲は不器用そのもの。横綱としても通算36勝36敗97休と、散々な成績しか残せなかった。将来的には独立が確実視されているとはいえ、本当に弟子を育てられるのか。ある親方は「案外、うまくいくんじゃないか」と、こう続ける。
「強い横綱で部屋運営が盤石でも、弟子を育てられないケースもある。亡くなった北の湖さんも、三役はひとりも育てられなかった。相撲技術に長けた親方もそう。例えば先々代出羽海親方の元関脇鷲羽山さん。小兵で技術に関していえば頭ひとつ抜けていたが、三役を経験した弟子は普天王(現稲川親方)だけです。彼らは『オレが簡単にできたことが、なぜできない?』と、自分基準で考えてしまい、イライラして指導もぞんざいになりがちです。その点、稀勢の里は誇れるほどの技術、実績はなく、中卒の叩き上げですからね。根気よく指導できるのではないか」