上位球団は警戒…最下位ヤクルト自力CS消滅で増す不気味さ
ヤクルトが連勝した。といっても、大差の最下位。借金21を抱え、CS圏内の3位とは13.5ゲームの差がある。9日には、12球団で唯一、自力でのCS進出の可能性が消滅した。
中堅選手が複雑そうな表情でこうこぼす。
「もちろん諦めてはいないけど、連敗が続いていたとき(16連敗した5~6月)は『何としても止めないと』という気持ちがあった。でも、その連敗が止まって安心して、その後またすぐ負けて……を繰り返しているうちに、少し(気が)抜けるところがあったかもしれない。1勝でも多くという思いはあるけど、目標を定めるのが難しい選手もいると思う」
本音だろう。チームも徐々に若手選手の出場機会を増やし、来年以降を見据えた用兵に切り替え始めている。
が、Aクラスを争う球団のスコアラーは「こうなると、かえってヤクルトは侮れない」と警戒を強めている。
「ヤクルトが最後に優勝したのは2015年で、14年ぶりの頂点だった。こう言っちゃなんだけど、負け慣れているからか、妙に切り替えがうまい選手が少なくない。こういう状態になると、個人記録、個人成績を追求するしかないから、開き直った選手がやたらと成績を上げるというケースがあるからね」