ソラーテ造反もさもあらん…阪神「選手軽視」の悪しき伝統
中日と優勝を争っていた2010年には、ソラーテを冷遇した当の矢野監督もつらい思いをした。引退試合の九回に藤川が逆転3ランを浴びて出番がなくなった。あの不手際はファンの間で語り草になっている。
03年優勝時の球団社長である野崎勝義氏が言う。
「選手の後ろにはファンがいます。選手を大事にすればファンも喜ぶ。軽視すれば離れていきます。選手はユニホームを着ている間はファミリーの一員です。それがわかっていれば、選手に対しておかしなことはできないはずです。和田元監督が現役を引退する時は、すぐにコーチにすると収入が激減するので、ユニホームを脱ぐまでの1年間、兼任コーチをお願いした。トレードでチームを去る選手には、『向こうの球団の方が出番が多い。放出ではない。望まれて行くんだ。頑張りなさい』と言って送り出しました。選手には敬意を持って接してきました。今のフロントは、監督、コーチ、選手に対する考え方が昔に戻ってしまった感がある。これが阪神という球団の体質なのか、かつて在籍していたチームですから非常に残念ですね」
毎年大金を出して助っ人は取るし、FA補強もやっている。それでも阪神のリーグ優勝は05年が最後というのは、こんなところにも原因がありそうだ。