大坂なおみ新コーチは理論派も…力とメンタルで逆転の皮肉
「ハードな試合になるのは覚悟していた。第2セットのタイブレークでは泣き言を言い過ぎた。なので積極性は保ちながら、努めて冷静になろうと思った」
試合後の大坂なおみ(22=世界ランク4位)はこう言った。
女子テニスの今季開幕戦、全豪オープンの前哨戦でもあるブリスベン国際のシングルス1回戦が昨7日、オーストラリアのブリスベンで行われ、第3シードの大坂は、マリア・サッカリ(24=同23位、ギリシャ)を6―2、6―7、6―3で下し、2回戦に駒を進めた。サッカリとの対戦成績はこれまで2勝1敗とほぼ五分。それだけに苦戦を覚悟したのだろうが、冷静になって難局を乗り越えたというのだ。
この日はサービスエースが16本。「肩(のケガ)が原因で最後の試合(WTAファイナルズ)を棄権しなくてはならなかったから、きょうはどんなサーブが打てるのか心配だった。でも、自分のサーブには満足している」とは本人。持ち前のパワーも健在だ。
暮れに迎えた新コーチのフィセッテ(39)は戦略家として知られる。データにこだわり、数字や確率に基づいた具体的な助言をするという。これまでアザレンカ(30)、ハレプ(28)、ケルバー(31)、クビトバ(29)ら4大大会を制した実力者たちを教えた実績がある。
大坂が初戦を突破した裏には綿密な戦略もあったのだろうが、最終的な決め手は劣勢をはね返した精神力と持ち前のパワーなのだから皮肉なもの。
なお、次の2回戦はソフィア・ケニン(21=同14位、米国)との対戦だ。