巨人が敏腕スカウト部長更迭…原監督の強権発動に戦々恐々
巨人がスカウト部をテコ入れした。1日付で水野雄仁巡回投手コーチ(54)、昨季まで二軍監督だった高田誠ファームディレクター(55)らがスカウト陣に加わる。長谷川国利スカウト部長(57)は編成本部付部長に異動となり、当面、スカウト部長を置かない異例の体制となった。
近年は指名した選手が入団直後に故障で長期離脱することが多く、人員増でクロスチェック体制を強化する狙いだとみられるが、スカウト部長の異動はそれだけではないようだ。
ケチのつけ始めは、この2人の指名だった。昨秋のドラフト1位の堀田賢慎(18=青森山田)は、1月の新人合同自主トレ中に右肘の炎症を発症。いまだに実戦復帰のメドは立っていない。即戦力として期待された同2位の太田龍(21=JR東日本)は、コンディション不良のため、キャンプはファームスタート。初実戦は3月12日の紅白戦と出遅れていただけに、「部長はドラフトの責任を取らされたように見えますが……」と、ある球団関係者が声を潜めてこう明かす。
「でも、2位の太田は原監督がドラフト当日のテーブルで推したって話です。肩を痛めているのは、スカウト陣は知っていましたから。ただ、今回の人事はそれだけではないと思います。長谷川さんは東海大相模―東海大出身で原監督の直系の後輩ですが、原監督にもしっかり意見を言う人。昨年のドラフトでも、『幅広くたくさん選手を取ろう』との方針だった原監督に対し、長谷川さんが『獲得した選手はしっかり育てたい。厳選して指名します』と突っぱねて支配下選手は6人に絞った。最近、2人は意見が合わないことが多かったのは確か。スカウト部員を守ってくれる部長でもあったので、現場は動揺していると思います」