今シーズンのオフは我々スカウトがリストラの対象になる

公開日: 更新日:

 もちろん、資金の問題も大きい。7月上旬に開幕したとしても無観客だし、各球団は今回のコロナ禍によって財政面で大打撃を受けた。ドラフトにこれまでのようなカネをかける“体力”がないのが実情だ。

 さて、台湾ではプロ野球だけでなく、高校生も試合をしている。それでも我々メジャースカウトが現場に足を運べないのはルールだし、破れば重大な罰則がある。台湾に住む知り合いのスカウトは、「もし、自分が現場に足を運んだことがバレたらクビが飛ぶ。だから球場には行けない」と話していた。

 日本のプロ野球は6月中の開幕を目指すといわれる。だとすればボチボチ、本格的な練習を始めるだろうし、日本にいる情報提供者にこっそり見に行ってもらいたいところだが、今オフ、FAやポスティングで日本人選手を獲得する資金力があるかは不透明。なにより情報提供者を現場に派遣したことがバレたら問題になるし、自分もまだクビにはなりたくない。

 それでなくともメジャーの一部球団は職員の給料を削っているし、我々スカウトはこのオフ、間違いなく人員整理の対象になる。ただでさえデータ重視の傾向に拍車がかかり、クビを切られるスカウトは毎年、後を絶たないからだ。わたしは選手の本当の能力は数字だけで判断できないと思っているものの、球団はどうやらそう考えていない。いよいよ首筋が寒くなってきた――。

メジャーリーグ覆面スカウト)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」