12年打撃2冠&MVP裏で…阿部の配球グセが阪神にバレていた
結果、12年は天敵ブラゼルを・098に封じることができた。
■谷繁も矢野に読まれ…
私が中日捕手コーチだった05年、阪神の矢野燿大に打率・322とやられていた。オフに正捕手の谷繁元信の配球を調べると、内角球が少なく、85~90%が外角に集中していた。谷繁と話し合い、翌06年は「今年はインコースをどんどん攻めていこう」と配分率を変えてみると、矢野を・194に抑えられた。
「お客さん」にされている打者をどう抑えるか。「相性がいい」と思っている相手を封じられれば、与えるダメージは大きい。
主将、4番、そして捕手。この頃の慎之助は、1人何役もこなし、負担の大きさは相当なものだった。他のポジションと比べ、捕手は体力、頭、精神面ではるかに重労働である。慎之助の場合は打者としても評価が高いため、打撃の成績を残すためにも、守備の負担が軽減できないかと考えた。ブラゼルの他にも何人かカモにされている打者をピックアップし、攻略法を探ることでフォローしたかった。