エ軍大谷が調停回避 2年8.9億円は二刀流復活への“期待料”

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 エンゼルス・大谷翔平(26)が8日(日本時間9日)、年俸調停を回避して2年850万ドル(約8億9300万円)で合意した。大リーグ公式サイトなど複数の米メディアによれば、年俸は今季が300万ドル(約3億1500万円)、来季は550万ドル(約5億7800万円)。

 メジャー3年目を終えて年俸調停の権利を獲得した大谷は、今季の年俸330万ドルを希望。これに対し、球団側の提示額は250万ドルにとどまり、年俸調停に持ち込まれた。

 今月19日にも調停委員による公聴会を予定していたが、球団では1月中旬以降、大谷側と交渉を続け、17日にバッテリー組がキャンプインすることもあり合意に達した。

 今回、新たな契約を交わしたことで大谷、球団双方にとって最悪の事態は免れた。選手側、球団が互いに金額の正当性を主張し合う公聴会は毎回、泥仕合に発展するからだ。年俸調停の裁定は労働問題が専門の弁護士3人が行い、球団側は金額の妥当性を証明するため、選手のマイナス材料を主張する。球団の低評価を目の当たりにした選手が首脳陣への不信感を抱いて感情的なしこりが残り、その後のモチベーションに影響するのは珍しくない。一時はヤンキースでエース格を務めた台湾出身の王建民は公聴会の場で「勝ち星が多いのは彼の好投ではなく、味方の大量援護によるもの」などとこき下ろされて自信を喪失。メジャー4年目以降の成績低迷を招いた。

 この日、電話会見に応じたミナシアンGMは「我々は複数年契約について話し合いを行い、2年契約が合理的だと思った」と説明。「彼はチームにとって非常に大きな存在で、(投打の)両方で貢献してくれるはずだ」と、二刀流への完全復活に期待を込めた。

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