東京五輪観客数さらなる“上積み”を画策 1万人では済まない
宣言明けの21日にも政府と都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)による5者協議が開かれ、観客数を決定する。
もっとも、五輪は普通のスポーツイベントとは規模が違う。パラリンピック閉会式まで1カ月以上にわたり、複数の場所で連日競技が開催される。かなりの「人流増」は確実で、分科会は「五輪と切り離す」との言質を取った上で、上限1万人の政府方針を了承。尾身会長らの提言も「五輪には単体イベントより厳しい基準が必要」と主張する方向で調整を進めた。
しかし、政府や組織委内には1万人よりさらに観客を増やそうとする動きもあるという。
「組織委はすでに全体の42%のチケットを販売済みで、スポンサーチケットなどを含めると計400万枚以上。競技や会場によっては収容人数の50%を超えているところもある。人気チケットだった開会式などが行われる新国立競技場(収容人数6万8000人)で上限1万人では、販売済みチケットをどう絞り込んで入場させるかという問題が出てくる。再抽選などを行えば混乱するので、販売済みチケット分は観戦可能にすべきだという意見がある。上限を収容人数の50%だけにすれば、新国立に3万4000人まで入れられます」(官邸関係者)
無観客の方がよっぽど公平でいいんじゃないか。