ダル早くも標的に…MLB“滑り止めポリス”に狙われる日本人
■回転量の多い投手は要注意
今後はダル以外の日本人投手にも審判の厳しい目が向けられそうだ。
何しろ、今季は日本人投手の活躍が目立っている。投打の二刀流に復帰したエンゼルス・大谷は本塁打数(23本)に注目が集まっているが、ここまで10試合に登板して3勝1敗、防御率2.70。73個の三振を奪っており、規定投球回には達していないものの、奪三振率12.32は先発投手では全体4位に相当する。昨季までの2年間で8勝15敗と大きく負け越していたマリナーズ・菊池は今季13試合で4勝3敗、防御率3.46。4月下旬から5月にかけて6戦連続クオリティースタート(QS=6回以上を自責点3以内)を記録した。渡米1年目のレッドソックス・澤村にしても中継ぎで26試合を投げ、3勝0敗4ホールド、防御率2.86。最速158キロの速球でメジャーの強打者を手玉に取っている。右肩動脈瘤を手術して今季絶望のレンジャーズ・有原、右内転筋の張りで一時、負傷者リスト入りしたツインズ・前田以外は優れたパフォーマンスを発揮しているからだ。
「MLBはボールの回転量を不正投球の判断基準のひとつにしています。直球以外に、カットボール、スライダーの回転量が高い数値を示した投手は審判に目を付けられるでしょう。日本人投手が粘着物質を使用しているとは考えにくいですが、ダルをはじめとする日本人ピッチャーはあらぬ疑いをかけられないためにも、マウンド上で帽子やグラブ、ベルト付近を触るのは避けた方が得策です」とは前出の友成氏だ。