日本勢初のメダル 凱旋帰国後の周囲の扱いに困惑…山手線内で「フジカキペアですよね」
日本勢初のメダルを手にすることができましたが、ロンドン滞在中は喜びに浸る暇はほとんどありませんでした。メディア対応などに追われ、帰国当日まで現地から日本の深夜番組に出演させていただき、ロンドンまで応援に来ていた母親と顔を合わせる時間もないほどで、母にメダルをかけるのも忘れていました。
メダルを獲得した実感も湧かないまま、約14時間のフライトを終えて成田空港に到着すると、到着ロビーではたくさんの人が出迎えてくれました。当時、聞いた話では800人が私たちを待ってくれていたそうで、あまりの人の多さに眠気も時差ボケも一気に吹き飛んだことを覚えています。入国審査を済ませて迎えのバスに乗り込むまでにたくさんの人から祝福されて、ようやく「すごいことしたんだな」と、実感することができました。
■「フジカキペアですよね」
帰国後も、地元の熊本県の役場、母校、所属先(当時ルネサス)やお世話になった人へのあいさつ回りでせわしない日々を過ごしていました。イベントや式典、テレビ出演などで上京した際には、こんなことがありました。パートナーの令佳と空いた時間を見計らって新宿や渋谷に買い物に出掛けた時のこと。2人で山手線に乗っていると突然、見ず知らずの人から声をかけられました。山手線の車内で私たちの存在に気づいたのでしょう。「フジカキペアのおふたりですよね。ロンドンオリンピック見てました。本当に感動しました」と言われたのです。