楽天1位・吉野創士 ホームグラウンドは父が祖父から受け継いだ工務店
家族4人が暮らす浦安市内の自宅近くには、善規さんが智子さんの父、忠雄さん(故人)から受け継いだ工務店がある。寮も隣接され、住み込みで勤務する従業員は現在9人。息子が生まれた頃から知るベテランばかりで中には毎日のようにキャッチボールに誘われ、付き合った従業員もいた。夕方の夜勤前でもお構いなしだったという。
工務店では東京都から依頼された公共事業も請け負う。例えば、新しく駅やビルを造る際、昔からあったもの、水道管や地下に埋まったものが邪魔になる。それらを一度移動させ、建物を造った後に影響が出ないよう元に戻す工事を担うという。智子さんは工務店での事務や、寮母として従業員の食事を作る実母、五月さん(73)を手伝う。
一方、息子の胃袋を支えたのは、意外にも近所の飲食店だった。智子さんは笑いながら振り返る。
「かた焼きそばとか、麺類が好きでした。おじいちゃん(忠雄さん)としょっちゅうラーメン屋さんやうどん屋さんに行っていて、いなくなったと思ったら、『おじいちゃんとうどん食べてきた、中華丼食べてきた、とんかつ食べてきた』と。ドラフトの後、皆さんに作っていただいたご飯のおかげでここまで来ましたとお礼を言ってきました」