現実味を帯びてきた米国の北京五輪ボイコット まずは「高官らを派遣しない」を検討と報道
「オンライン形式による米中首脳会談が終わった直後の16日、ワシントン・ポストはバイデン大統領が中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害や香港の民主派弾圧を問題視していることから、バイデン自身は北京五輪に出席せず、政府当局者も派遣しない、いわゆる『外交的ボイコット』を発表すると報じた。この問題に関しては、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチもIOCのスポンサー企業に対し、人権重視をIOCに求めるべきと訴えた。そして今回の事件です。今のところ彭帥選手が自ら身を隠しているのか、当局に軟禁されているのかはわかりませんが、中国政府がこのまま事件をなかったことにすれば、米国の五輪ボイコットの動きに拍車をかけることになると思う」
その後、18日にバイデン大統領は「外交的ボイコット」を検討していることを明言した。
米国の五輪ボイコットといえば、1980年モスクワ大会の前例がある。米国はソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して、西側諸国にボイコットを求め、日本も追随した。
「あれは政治絡みでした。ワシントン・ポストには『モスクワボイコットはまずかった。同じ轍を踏んではいけない』とあった。しかし、今回は政府高官による性的暴行です。さらに、被害者が軟禁されているとすれば世界は放ってはおきませんよ。欧米選手からも『こんな国で五輪をやるのはおかしい』とボイコットの声が出てくるはずです。一方、米国、カナダ、ドイツ、北欧などは冬季競技が大変な人気です。各国五輪委員会の判断は難しいと思う」(前出の津田氏)