阪神の新旧スター比較 西純矢の台頭と28歳のアラサー藤浪晋太郎の落日
こういう華のある高卒投手は阪神では藤浪晋太郎以来ではないか……と書いてしまうと、隔世の感がある。ひと昔前はこの藤浪はもちろん、今やMLBの大スターとなった大谷翔平らの世代が球界の最注目で、その前は田中将大や斎藤佑樹らの世代、その前はいわゆる松坂世代が“世代くくり”の元祖として脚光を浴びていた。それらの前例に当てはめると、今の西の雰囲気は田中将大の世代における前田健太みたいな感じかな……と思ったりする。佐々木朗希が田中なら、西にはマエケンのような野球センスの塊を体現してほしい。
翻って藤浪晋太郎。阪神で西が台頭してきたことによって、彼のポジションはますます危うくなっていきそうだ。
華やかなスター性という意味では、どれだけ低迷が続いても、どれだけ青柳晃洋や秋山拓巳が結果を残しても、藤浪のそれは圧倒的で、別格のロマンを感じさせた。もしも藤浪が潜在能力を開花させたら……といった夢物語がいつまでも捨てられないのは、藤浪が甲子園春夏連覇の大阪桐蔭高のエースからの高卒ドラ1、本格派の剛速球右腕などといったスターの条件がそろっているからだ。