今の大相撲は「群雄割拠」にもあらず 優勝のチャンスは誰にでもあるとはいえ…
大関・正代対小結・豊昇龍戦。せめて「物言い」がついてもよかった。
正代の左ひじが先に落ちているように見える。行司差し違えで正代の負けか、同体取り直しか、という一番。審判員は物言いもつけず、行司軍配通り、正代の勝ちとした。
野球の監督リクエストみたいに何度もスローモーションが流れた。
「しょうだいの……ひじが……あっらぁぁ?先に? ……付いてるような?」
解説者が思わず言った。
「正代に軍配が上がっちゃいましたからねえ」
正代ファンが聞いたら怒るだろう。
「……正代が勝ったらいかんちゅうのか? かりにも大関やど」
かりにもでしょ。こんな成績で正式とは認められますか。
「そうじゃなくて、曲がりなりにも大関やど」
曲がりなりにも、でしょ、真っすぐじゃない。