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阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

横浜1年目の開幕直後に古傷の右脇腹を痛めるも…投げ続けるしかないと思った

公開日: 更新日:

 横浜移籍1年目の1998年、4月14日から広島市民球場で行われた3連戦の最中だった。

 ブルペンに「次の回からいくぞ」という電話がかかってきて、準備をしていたときのことだ。投げた瞬間、右脇腹にビシッという感じの痛みが走った。

 右腰に何かがはさまったような感覚。痛みが激しくて、とてもじゃないが、投げられる状態ではない。

 コーチには状況を説明したうえで、「申し訳ないですが、投げられる状態じゃありません」と話し、代わりの投手がリリーフ登板した。

 右の脇腹は近鉄時代に痛めた箇所でもある。本来なら二軍に行ってリハビリすべきところかもしれないけれど、巨人で結果を出して移籍してきたわけではない。監督の権藤さんに「敗戦処理からだからな」と言われたように、そもそも危うい立場で加入している。二軍でリハビリをさせてほしいと言った時点で、二度とチャンスは回ってこないかもしれない。

 自分は何のために横浜に来たのか、もう一度、一軍のマウンドで勝負するためじゃないのか。そう考えたら診断の結果が出るまでどんなに痛くても投げ続けるしかないと思った。

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