ビールかけのやり方がわからない? 38年ぶりのリーグ優勝ゆえに起きたトラブルの中身
通常、ビールかけには、泡がよく立つように、常温のものを使う。それでも、水みたいなものだから、体にかけられたら十分、冷たい。ホテルにビールの追加を注文すると、あとは冷えたものしかないという。ないよりはマシと頼むと、運ばれてきたのはレストランでキンキンに冷やされたビールだった。
それでビールかけを続けたものだから、たまらない。飲むのが目的の冷えたビールを浴びせ合っていたから、寒いどころの話じゃない。そのせいで大魔神はカゼをひいたくらい。寝込むほどではなかったにせよ、体調を崩してしまった。
9日後の17日には日本シリーズが始まる予定だったものの、第1戦が降雨中止で順延になり、1日遅れのスタート。佐々木は一日でも多く間が空いた方が体調が回復すると思い、本人に「良かったね」と言った記憶がある。
さて、私にとって、日本シリーズは特別な舞台だった。
近鉄時代の1989年は巨人に3連勝した後に4連敗。巨人移籍2年目の96年はオリックスに1勝4敗。いずれもリーグ優勝して私自身、登板機会を得ながら、日本一には手が届かなかった。そして今回、横浜で3回目のチャンスを得た。
近鉄、巨人、横浜はくしくも、私がプロ入りした86年のドラフトで1位指名が競合した3チームだ。その3球団でリーグ優勝を経験したのは幸運だし、今度こそ日本一になりたいという思いを強くした。 (つづく)