森保Jは決勝Tに“赤信号”…スペイン戦は「翻弄されるシーンばかりが増える」と識者が予想
「日本にとって、まさに天国から地獄の結果になりました」
ドイツ1部ビーレフェルト(現2部)でヘッドコーチを務めた鈴木良平氏がこう言った。
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日本が格下コスタリカにまさかの敗北。勝てば決勝トーナメント進出が濃厚だったが、一転してグループリーグ敗退のピンチに陥った。
森保一監督(54)は歴史的逆転勝利を飾った23日のドイツ戦から先発メンバー5人を変更。ドイツ戦で同点ゴールを決めたMF堂安、同戦で出番のなかったFW上田、MF守田、MF相馬、右SB山根を抜擢した。
森保監督は「8強進出」という大目標のため、主力を休ませて控え組中心で戦う「ターンオーバー」を使うことを示唆しており、構想通りの強気の采配だった。
しかし、後半36分にDF吉田の中途半端なパスを奪われ、たった1度のピンチでゴールネットを揺らされた。冒頭の鈴木氏が言う。
「前半はなんだったんだろう、という感じがします。上田、堂安、相馬といった普段は先発しないメンバーは、もっと前掛かりにいって欲しかった。相手のゆっくりとしたペースに巻き込まれ、明らかに気持ちが入っていませんでした。後半から浅野、三笘、伊東が入って攻撃が活性化したのを見ると、ベストメンバーとは差があるように見えた。8強という目標があり、今大会は中3日の過密日程。メンバーの大幅入れ替えについて否定はしません。ただ、これはブラジルのような強豪国の戦い方。メンバー変更するなら、前半をベストメンバーで戦い、リードを奪ってから後半に入れ替えた方が良かったと思います」
コスタリカは開始直後から5バックで守備を固めてきた。日本も前半30分過ぎから4バックを3バックにシステムをチェンジ。ドイツ戦で決勝ゴールを挙げたFW浅野を後半から投入するなど積極的に動いたものの、ゴールが遠かった。2試合を終えて勝ち点は3のまま。決勝トーナメント進出をかけてV候補のスペイン戦を迎えるという最悪の展開となった。
守田は「油断がなかった中で100%準備してきたし、実力で敗戦した」と振り返ったが、第1戦でW杯優勝4度のドイツに劇的勝利。本当に油断はなかったのか。前出の鈴木氏が続ける。
■いつでも点が取れる過信
「初戦で日本が0─1から逆転できたのは、前半からハイプレスをかけ続けたドイツの運動量が後半になってガクッと落ちたから。これを分析できていたか疑問です。初戦の後、日本中がお祭りムードに包まれました。もちろん現地もそうだったでしょう。一方のコスタリカはスペイン戦で7失点。勘違いしないまでも、日本が『いつでも点が取れる』と過信する状況ではあった。この敗戦で最終節までドイツに決勝トーナメント進出のチャンスを与えることになったのは、あまりに痛い」