大学や社会人は他球団以上に警戒すべき プロは微妙という選手は狙い目
そう言って名前を挙げたのは都市対抗で優勝したトヨタ自動車の4番を打っていた逢沢崚介だ。
■内定を取り消すのは至難のワザ
「遠投110メートルで、50メートルは5秒8。明大時代から俊足強肩の外野手だったが、打つ方が非力でドラフトされなかった。ところがトヨタに入ってから、かなりウエートをやったんだろう。オレは久々に都市対抗で見たんだけど、体自体がでっかくなっていて、同姓同名の別人かと思ったくらいだ。足と肩がいいんだから、ああいう選手にこそ高校時代に目を付けて、プロで鍛えるべきじゃねーのか」
そうは言ってもオレたちプロが選手と接触できるのは、選手がプロ志望届を出してからだ。制約のない大学や社会人とはスタート時点で後れを取っているうえ、いったん決まった内定をひっくり返すのは至難の業。特に東京六大学や社会人の有名企業に内定している選手は、大学や企業との関係があるだけに手を出しづらい。有名大学の内定はほぼ決まりだし、社会人にしても指名順位を事前に調べていて、例えば3位で指名されそうな選手なら「2位縛り」にしてくる。つまり「2位以内の指名でなければ社会人に行く」と言わせるのだ。大学や社会人は、ある意味、他の11球団以上に警戒しなければならない相手といえる。
部長に内緒で三宮のスナックのママとこっそりゴルフに行こうと思ってたんだけど、この調子じゃ、ゴルフバッグを開ける暇もなさそうだ。
(プロ野球覆面スカウト)