甲子園出場校の主将14人に聞いた「ぶっちゃけ、プロ野球の試合に興味ある? 行きたい球団はどこ?」
「今や、プロ野球中継を見たことがないっていう子もいる。時代は変わりましたね。僕らのころなんて、練習が忙しくてもテレビにかじりついて見ていたのに……」
今夏の甲子園出場校のベテラン監督が苦笑交じりにこう言った。
日本高野連によると、今年5月末時点で硬式野球部の部員数は9年連続で減少。高校生の野球離れが加速する中、今夏の甲子園出場校の主将14人に、プロ野球への関心度についてリサーチした。
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「ぶっちゃけ、プロ野球の試合を見てる? 興味はある?」
日刊ゲンダイ記者の質問に目を輝かせた主将は3人。いなべ総合の堂上陸翔主将が「親戚がドラゴンズのファンクラブ会員で、その影響で自分も中日だけは見るようになりました」と話すと、北陸の笹井多輝主将は「寮ではなんだかんだ、試合を10人くらいで見ています。両親が関西出身なので阪神ファンです」。日大山形の今田歩希主将も「地元なのでずっと楽天が好きです。親が(サブスクリプションの)DAZN(ダゾーン)に加入しているので、電車通学時に見ています」と笑顔を見せた。
しかし、普段からプロ野球の試合を見ている球児はレアだ。
昨夏の優勝校である仙台育英の山田脩也主将は、「プロ野球はあんまり見ていません……。中学2年ごろまでは見ていましたが、高校に入ってからは忙しくて。寮には全員が使えるフロアにテレビが1台だけありますが、チャンネルの取り合いになるので、僕は基本的に部屋で過ごしています」と言う。
その他の主将もおおむね、プロ野球の試合には無関心の様子だった。
「全く見ません。自分のことで忙しいので(笑)」(明豊の西村元希主将)
「小学校のころは見ていましたけど、中、高と見る機会がなくなりました」(専大松戸の大森准弥主将)
「見る時間がありません。中学生のころから見なくなりました」(聖光学院の高中一樹主将)
■「プロ野球は見ないけどWBCは見た」が多いワケ
プロ野球の試合は部の練習時間と重なる。物理的に見るのが難しい部分はあるにせよ、徳島商の森煌誠主将が「たまに見るくらいです。地上波でやらないから、BSとかでやっていれば見ますが……」と言うように、阪神や中日などは地元局が地上波で野球中継を放送しているものの、かつて高視聴率を誇った巨人戦の地上波全国中継はほぼ消滅。試合を見るにはお金を払って衛星放送や「DAZN」などのサブスクリプションに加入するしかない。
その一方で「今春のWBCは食い入るように見た」という声は多く、宇部鴻城の大川快龍主将は「プロ野球の中継は見ませんが、(動画配信サイトで)遊撃手として西武の源田選手の守備のプレー集をずっと見ています。足の運び方やグラブさばき、1歩目の入り方など、すごく勉強になります」と話すなど、個々の選手に対する関心は高いようだ。
「阪神の村上投手が好きです。それほど背が大きくない(175センチ)のにすごくいい投球をしますから」(立正大淞南の日野勇吹主将)
「ヤクルトの奥川投手に憧れているので、動画を見るだけでなく、試合での結果だけは毎回、チェックしていました」(富山商の上田海翔主将)
自身がレベルアップするためのお手本というわけだ。