巨人がドラフトで異例の全員即戦力指名…支配下で高校生ゼロに透ける阿部新監督の重圧
来年は良くても数年後は…
阿部監督は逸材を引き当てることに成功したわけだが、問題はその後である。
吉村編成本部長は2位以下が社会人4選手だったことについて「ほぼ100%。素晴らしいドラフトだった」と言った。水野スカウト部長は2位の森田について「年齢(26歳)はいっているけど、いい投球をしている。先発、リリーフどちらでもいける」と太鼓判を押した。ただ、前出のスカウトはこう言うのである。
「2位から4人も続けて社会人を指名するなんて思い切った戦略。社会人ではベテランとされる左投手の2位指名は驚いた。支配下で高校生を指名しないなんて、数年後のことは考えないのかと、うちの球団はみんなビックリしていました」
阿部監督は就任以来、「ドラフトでもFAでも即戦力が欲しい」と話しているが、今回のドラフトはあくまでスカウト部主導。「優勝できていないので即戦力ということ」と水野部長が明かしたように、“是が非でも新監督を勝たせたい”という球団の親心から、即戦力をズラリと並べるに至ったとみられる。
「仮に来年は良くても、数年後に必ずポッカリ穴があきますよ」とは前出のスカウト。こんなに即戦力をそろえられては、阿部監督もプレッシャーである。