巨人3日で2件の超速トレード、オリ近藤大亮も獲得…“勝利厳命”阿部新監督は「勝ってから育てる」の現実路線

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あってないような3年契約

 そんな阿部監督は、すでに来季構想の一部を明かしている。

 12月に35歳になる坂本は、今季途中から転向した三塁で来季も起用。鉄壁の守備を武器に今季途中から遊撃に定着した新人の門脇に、引き続き遊撃を任せる意向を明かした。主砲・岡本和は一塁へ回る。この3人は「レギュラー」と明言した一方で、今季3番に定着した21歳の秋広については定位置を確約せず、「競争」を強調。

 二軍で好投した先発投手についても「先発を空けて待っていることはしない。まずは一軍で敗戦処理に置いておく。何試合かいい登板ができたら先発チャンスをあげる」と段階を踏ませる方針を示している。つまり、強引にでも若手を登用してチームの若返りを進めるのではなく、あくまで来季の勝利にこだわる構えのようなのだ。

 周囲は通算17年もの長きにわたり、監督の座に君臨した原前監督が停滞させたチームの抜本的な改革、次世代のスターになる若手の育成を望んでいるが、別のファーム関係者がこう言った。

「長年、チームづくりを補強に頼ってきた原前監督が、育成を後回しにしてきたことで、チームが過渡期に入っているのは確か。20、21年に二軍監督を経験している阿部監督だって、そんなことは百も承知でしょう。ただ、阿部監督の契約期間は3年でも、巨人の監督の契約年数はあってないようなものというのも分かっている。3年契約の2年目だった原監督が今季、“解任”されている。2年連続Bクラスでお鉢が回ってきただけに、1年目はとにかく勝たないことには、自分だってどうなるか分からない。勝って存在感と発言力を高め、その上で選手の育成も含めて自分のやりたいチームづくりに乗り出す。そういうつもりですよ」

 巨人の山口オーナーは原前監督に「若手を育てながら勝って欲しい」と育成と勝利の両立を求めた。それが、阿部監督には「来季へ向けては、何と言っても強い巨人にしていくことが求められる」と勝利を厳命したことも無関係ではないだろう。

 3年連続V逸、2年連続Bクラスからの逆襲へ、1年目の阿部監督に課された使命は優勝のみ。選手の育成、チームの世代交代に本腰を入れるのは「勝ってから」になりそうである。

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