平林清澄の将来性を元陸連強化委員長はどう見た? 大学3年で初マラソンの大阪で「2時間6分18秒」圧巻V
冒頭の澤木氏が言う。
「平林の走りは体重が軽い(168センチ、44キロ)こともあるが、着地抵抗が少ない。体重あたりの酸素摂取量が高いので、燃費のいい軽自動車と同じ。逆に酸素の消費量は低く、1万メートルより距離の長いマラソンの方が有益です。ただし、体が小さく筋肉量が少ないことを考えれば、練習量が多くなると疲労骨折など故障のリスクが高い。体にしなりが生まれるトレーニングを徹底することで故障が少なくなり、歩幅も伸びます。レースを再度見たが、集団の中での位置取りや、32キロ付近で仕掛けた勝負勘もいい。初マラソンとは思えませんね。まだ大学3年ですから、課題を改善すれば、来年のビッグイベント、世界選手権(東京)でも有力候補になるでしょう」
初マラソンの日本最高記録について平林は「率直にうれしい。勝負に徹した中でタイムがついてきて良かった。ここが自分の最高地点ではない。さらに精進したい」と言った。男子マラソン界に楽しみな若者が出てきた。