著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

勢い増す米国スポーツ賭博の歴史…2018年の連邦最高裁の判決がターニングポイントに

公開日: 更新日:

 大リーグの球場には、世界に冠たる大企業から地域に根差した会社まで、さまざまな業種業態の事業者が広告を出している。

 最近、特に観客の注目を集めるのがスポーツ賭博の運営企業の広告である。

 世界屈指のカジノ街として知られるラスベガスを擁する米国では、賭け事は日本に比べて日常生活の中で身近な存在となっている。

 だが、スポーツを対象とした賭博は長らく違法とされてきた。理由は明白で、賭博の対象となることで八百長が横行したり、競技の純粋性が損なわれたりする疑惑が起きるからだ。

 実際、1992年に連邦法であるプロ・アマスポーツ保護法(PASPA)が制定され、その時点で州法によってスポーツ賭博を容認していたネバダ、モンタナ、デラウェア、オレゴンの4州以外の全ての州でスポーツ賭博が違法とされた。

 ワールドシリーズを舞台とした八百長事件として世界のスポーツ界の事件史に残る1919年のブラックソックス事件によって存亡の機に直面したのが大リーグである。それだけにブラックソックス事件以降の球界は賭博問題に厳格に対処してきた。

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