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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭は相性のいい8月の全米オープンを見据え、時代の急な流れとも戦っている

公開日: 更新日:

 膝の故障の回復が遅れる34歳は今季、3月に1試合プレーしただけで、エントリーしながら棄権というもどかしい状況が続いている。

 昨秋、悔いが残ることがひとつあると話していた。1年8カ月ぶりに出場した6月の下部大会で優勝。1カ月後のツアー復帰戦、アトランタの準々決勝で、それまで3戦全勝だったテイラー・フリッツ(26歳=当時世界9位)にストレートで負けた。フリッツは196センチの長身からエース7本を奪い、ファーストサーブのポイント率86%、セカンドも76%。完敗だった。錦織は無理をしたのではないかと振り返り、再び休養に入った。ブランクの重み、時代の流れ──。

 個人競技のテニスに引退という言葉は馴染まない。デ杯監督も務めた往年の選手は「7回引退した」と言われ、ボルグは26歳で“引退”、2度“復帰”している。錦織は全仏も無理はしないだろう。コートだけが戦場ではない。相性のいい8月の全米を見据え、時代の流れと戦っている。晴れ姿をいつまでも待ちたい。

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