阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」
「最速で内定者を決められるよう23年3月に『強化システムに関する規程』を改正。全柔連の科学研究班が<早期代表内定者がメダルを取る確率は8割を超える>と分析したことを加味し、本番まで多くの準備期間を確保することを優先した。しかし、階級や選手ごとに内定に至るプロセスに違いが生じるなど基準があいまいで、他の選手に戸惑いと不満を生んだとの声もあります」
阿部兄妹はほぼ無条件で代表に内定した。ある選手には、長期間試合に出場していなかったにもかかわらず、1試合のみで内定を出すスケジュールを組む一方、別の選手には「今のままでは内定者を選ぶ強化委員会に推薦できない」と、複数の試合出場を促すケースもあった。勝てば内定が決まる大会に優勝したにもかかわらず、内定を見送られた選手もいる。
「メダルなしに終わった斉藤は、男子の鈴木佳治監督のプッシュもあって早期内定しましたが、協会内では『決定時期が早すぎる』と賛否が分かれたといいます。実際、内定後の試合も精彩を欠いていました」(同)
この早期代表内定が裏目に出たのが阿部詩だ。