阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」
【パリ五輪】柔道男子100キロ超級
「情けないです…」
メダルなしの惨敗に終わった男子100キロ超級斉藤立(22)は4度も「情けない」と繰り返し、自分を責めた。
3日未明の3位決定戦でウズベキスタンの選手に腕ひしぎ十字固めを決められ、ギブアップ。一本負けを喫した。
この日、全階級を終えた日本は金メダル3、銀メダル1、銅メダル3個を手にしたが、金メダル9を含む計12個のメダルを獲得した東京大会と比べて大幅減。中でも苦戦を強いられたのが女子だ。V確実と言われた女子52キロ級の阿部詩(24)がまさかの2回戦敗退で大号泣。この日も五輪連覇に挑んだ78キロ超級の素根輝(24)が準々決勝で敗れ、古傷の左膝の故障を理由に敗者復活戦を辞退した。女子のメダル獲得総数はこれまで最少だった12年ロンドン大会の3個を下回る2個に終わった。
相次ぐ誤審騒動に足を引っ張られた上に、ライバル国との実力差が縮まったとの見方もある一方、「全日本柔道連盟の戦略ミス」との声もある。
全柔連はパリに向け、早々に代表内定者を決めた。23年6月下旬に男子66キロ級の阿部一二三(26)、詩の兄妹、女子48キロ級の角田夏実(31)、同70キロ級の新添左季(28)の4人を、過去最速となる本番13カ月前に決定。同8月には斉藤立と素根、男子81キロ級の永瀬貴規(30)ら6人に内定を出した。柔道関係者が言う。