命懸けの灼熱甲子園 出場校それぞれの熱中症対策…水分、塩分、漢方、体脂肪、プール
今秋ドラフト上位候補は「体脂肪」に着目
創成館(長崎)の中村部長は「うちは寮があるので、食事や睡眠などの時間配分は大事にしています」と、こう続ける。
「普段の練習で言えば、グラウンドの横に大きめの、子どもが遊ぶようなビニールプールを置いています。『おまえら、暑くなったら飛び込めよ!』って。みんなザブンザブン飛び込んでいますよ(笑)」
掛川西(静岡)では、水分補給の管理を徹底してきた。牧野部長が言う。
「水分補給は取り忘れたり、時間が押して飲めなかったりする子もいる。だから、お互いに水分を取っているかを確認させるように努めてきました。現在はその都度、学年ごとに報告をさせています。選手が互いに水を飲んでいるところを確認し合い、『1年、飲み終わりました』『2年、飲み終わりました』という感じですね。これは2月からやらせています。それでも熱中症かな? というケースもありますし、不安がある子もいるでしょう。でも、倒れて救急車で搬送された……という子はひとりも出ていません」
■体重を落としたら…
選手も自分自身で考え、熱中症にならないように工夫する者もいる。
今秋のドラフト上位候補といわれる神村学園(鹿児島)の正林輝大(3年)は「体脂肪」に着目していた。
「去年、甲子園に出た時に1回か2回、足がつったんです。そこで大事だと思ったのが体脂肪。僕の場合は常に12~13%を維持しています」
ただ、木更津総合(千葉)との初戦では脱水症状で両足がつってしまった。
「県大会が終わってから少し体重が増えたので落としたら、体脂肪まで落ちちゃったんですよね……。今は84キロです」
熱中症は下手をすれば命にも関わる。球児たちが無事、大会を完走できることを祈るばかりだ。
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今夏の甲子園は優勝候補と言われていた強豪校がことごとく序盤で姿を消した。いったいなぜか。高校野球で今、何が起きているのか。
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